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味噌 信州の風土が作る

水と空気と時間が育んだ昔ながらの天然醸造味噌

石井味噌店 松本市

信州のおつかいもの 味噌

 創業は慶応4年。140年もの歴史を誇る石井味噌は代々受け継ぐ天
然醸造の「三年味噌」が看板商品。自然の空気と積み重ねた時間が作りだ
す褐色の色とまろやかな味わいが特
徴だ。

 高度経済成長期だった昭和30年代、速醸法という大量生産の波が押し寄
せ、石井味噌でも研究を重ねたという。しかし「三年ねかせた味噌の味は
出なかった」と石井基社長。以来、大豆を蒸す工程など近代化した部分は
あるものの、敷地内の湧水で洗った国産大豆に国産の米麹、天日塩を使い、
6尺の杉桶で二年寝かして三年目に取り出す二寒二土用の天然醸造法を
守り続けている。醸造途中で桶から桶へと移す天地返しの作業も、職人が昔
ながらの手作業でひとすくいずつ行っている。空気に触れ、醸造ムラのな
くなった味噌は三年目が味も香りもピークに達するのだという。濃い色の
印象とは違う優しい味わいは具だくさんの味噌汁にぴったり。

 こだわりの国産大豆と天日塩。限定醸造味噌は信州産の丸大豆に信州産
コシヒカリ、伊豆大島の天日塩「海の精」を使用する

 「杉桶造りの職人を探すのにも苦労をしました」と話す5代目の石
井基社長(左)と石井康介専務。国産原料を使い木桶で天然醸造
をする味噌蔵でつくられる味噌の生産量は国内で1.6%だそうだ

 平成の名水百選に選ばれている「まつもと城下町湧水
群」のひとつが敷地内に湧き出ている。これも味噌づくり
にひと役買っている

 石井味噌には蔵が4つある。老舗ならではの蔵付き酵母
も上質な味噌に仕上げる要素のひとつで、熟成期により
蔵を移動することで奥深い味になる

 石井味噌店のような、なまこ壁の蔵造りの建物は松本に
とても多い

 天地返しは職人が直径、高さともに6尺の杉桶の中に入っ
てスコップでひとすくいずつ丁寧に行う重労働。約4〜5
時間で作業を終了するという

三年味噌(三年蔵・赤味噌)

750g 2000円
メラノイジンという褐色色素が含まれているため色が濃い。メラノ
イジンは、がんの抑制や血圧降下、細胞の老化防止に役立つとも言わ
れている

住所 松本市埋橋1-8-1
電話 0263・32・0534
営業時間 8〜17時
休日 なし P10台
取り寄せ/電話・FAX